日本遺産360度VR動画から考えるVR動画の「メリット・デメリット」

先日公開された、日本遺産「麒麟獅子舞」のVR動画。ドローンによる360度VR動画ということで、早速観てみました。観てるうちに、VR動画の難しさや面白さを改めて感じることができました。

そこで今回は「VR動画」のメリット・デメリットについて他の事例も交えながら考えてみようと思います。

日本遺産「麒麟獅子舞」

まずは、日本遺産「麒麟獅子舞」のVR動画です。

鳥取砂丘と遠くの「麒麟獅子舞」から始まるドローン映像はとても美しくこれから始まる演出に期待が高まります。そして、次のカットで「麒麟獅子舞」がアップに。静寂を引き裂くダイナミックな動きと音が心を揺さぶります。

ただここからの演出が、正直物足りないように感じました。被写体との距離感やカメラの視点の高さがどのカットも似ており、少しのっぺりした時間を感じました。距離感が同じであると、編集のメリハリも付けづらく、冒頭の麒麟獅子舞の迫力と情緒が、再び感じられませんでした。子供の登場シーンでは子供の目線や、麒麟獅子舞の口の中からの視点など、大胆な演出があっても良かったなと思いました。

ドローンVRでは、空からの獅子舞が360度見渡せるのですが、逆を言うと、360度見えてしまいます。見せたいものと見えてしまうものが混在するVR動画は、とても演出が難しいのだなと改めて感じることが出来ました。

政府観光局「JAPAN—Where tradition meets the future」

次に、紹介するVR動画は、2018年に公開されたものですが、撮影・編集ともにVRの良さを活かして制作された事例と思います。

撮影も編集も動きがあって観ていて飽きません。「麒麟獅子舞」にはないメインの被写体の多さも助けとなっていますが、ドローンVRは冒頭の東京タワーだけに絞ったのもメリハリがあって良かったと思います。

竹林、回転寿司、ペッパー、ピカチュウ、相撲、奈良公園、360度どこを見渡しても面白い演出が仕掛けてあります。

ドローン360度VR撮影による素材の活用

次の動画は、一般的な2Dの動画の素材としてドローン360度撮影を活用した事例です。360度動画の素材を視点を変える(指定する)ことだけでダイナミックに表現しています。

「VR動画」のメリット・デメリット

以上のことから、「VR動画」のメリット・デメリットをまとめてみました。

メリット

  • 自由に視点を選ぶ事ができ、2D動画では出来ない、没入感を表現できる。
  • 360度広がる美しい、面白い世界を存分に表現できる
  • 制作者によって切り取らた世界でなく、リアルなその場を体験できる

デメリット

  • 自由に視点を選べるからこそ、次のカットでメインの被写体に遭遇できないことがある
  • 360度みえてしまうので、360度みられても楽しませるロケ地や演出がないと間延びする
  • 視聴者の視点をコントロール出来ないので、視聴の流れが無限に存在し、撮影・編集を想定した高度な演出プランが必要

まとめ

VR動画という新しい表現方法ですが、動画の質という点においては、基本的に演出・撮影・編集が大きなを役割を占め、従来の映像表現と変わらないなと思います。360度見渡せるといことは、メリット・デメリットが混在し、演出・撮影・編集、全ての段階で難易度が高まっていると思います。ただ、とても可能性を秘めた表現で、今後ますます発展していく業界だなと強く思いました。

みなさんも360度VR動画でしか表現出来ない世界を是非観て作って楽しんで下さい!